五嶋亘の臥薪嘗胆〜其の一〜



五嶋亘(ごしまわたる)とは2−F16番在籍の男子生徒のことである。

県内一と名高い名門・皇令学院の理事長の息子。
甘いマスクに家柄良し。
婚活中じゃなくても是非ともお相手したい男なことは自分で百も承知だ。
中学時代は県外の中学に通っていた。
だってほら、困るだろ?他の男にとってみたらさ。
俺は理事長の息子で甘いマスク持ちだろ?モテすぎて困るってやつだ。
ただ、高校になったら他の男もイモ状態からちょっとは成長してるかと思ったからさ、
編入することを決めた。
成績優秀だった俺は難しいといわれている高校からの編入テストをなんなくパス。
つかもう、顔パスってやつか?
まぁ、んなわけで編入したわけね。
そしたら!そしたら……おい、メアリー!(亘の愛犬)邪魔するな!
……まぁ邪魔が入ったわけだが。
とにかく編入した俺を待っていたのは想像を絶する光景……いや人物。
そう、その名も唐崎智里。
女みたいな名前だがれっきとした男だ。女だったら俺が貰ってやってもよかったんだがな!
……いや、少しずれたが本題だ。
俺はその時自分の敗北というのを人生で初めて知った。
君の瞳に乾杯ってやつだ。カサブランカはホント名作だよな……
ってちげぇよ!完敗完敗。そう、俺は完敗ということを身をもって知ったのだ。
レベルが高いといわれてる皇令の女子たちの目!そのすべてが唐崎に注がれていたのだ!
あだ名も王子だ。ありえねぇ。
ま、んなわけで俺は自分の顔面偏差値を知り、学院を去った……なわけねぇだろ!
ここからが俺の正念場ってやつだ。俺の中学時代のあだ名教えてやろうか?スッポンのゴッシーだ。
ネッシーとか思った奴正直に手ぇ挙げろ。ネス湖にいねぇからな!
で、なんだっけ。ああ、そうそう。だから俺の性格は粘り強いってことだから……おい美化してねーぞ!
…まぁ、だから、俺はトップを奪回することを諦めなかった。
唐崎にも欠点があると思ってそれを暴こうと思った。
これは俺の想像を絶するトップ奪回のサクセスストーリーだ!



〜つづく〜



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